サルビアコーヒーのおいしさの秘密をご紹介いたします。

1. 仕入~素材へのこだわり

コーヒーは、ショ糖、クロロゲン酸、アミノ酸など、コーヒーが持つ成分と、適切な温度と時間での焙煎による化学反応が織りなす芸術品です。
その最も重要な要素の1つの素材選びにおいて当店は、昨今奇抜味が多くなってきているオークションや品評会などの上位品目ではなく、素材のもつ成分の量、豆の粒の大きさ、 産地の高度、栽培技術、製造技術などのレベルの高い商品をメインに商社から輸入しております。
またコーヒー生豆のトレードに関しましては、生産者には安定した精度の高い商品を栽培する努力、商社には生産者の製造技術力向上のサポートと安定購入する努力、販売者(弊社)は精度の高い焙煎技術で商品を販売する努力など、各自責任をもって仕事をおこない、お互いをビジネスパートナーとして支え合うことによる相互支援を理念にトレードを行うよう努めております。

良質な生豆とは(成熟度)

成熟度が高い良質なコーヒーとは、上記コーヒーの主成分のショ糖、クロロゲン酸、アミノ酸の含有率が高く、成熟度が低い良質でない生豆はこれらの含有率が低くなります。
さらにクロロゲン酸にはモノクロロゲン酸とジクロロゲン酸があり、成熟度が高ければモノクロロゲン酸の割合が高くジクロロゲン酸の割合が低くなります。
成熟度が高い良質な生豆を適切な温度での適切な焙煎をすると、これらの成分が化学反応して適切なコーヒー色と深い味わいと香、良質な酸味となります。
成熟度が低い良質でない生豆は、これらの成分が少ないため適切な温度帯での適切な焙煎をすると、これらの成分が化学反応しても適切なコーヒー色とならず、渋みや不快な味わいと酸味となります。
また成熟度が低い生豆を一般的なコーヒーの色に仕上げるには、焙煎度合いを強めて『炭化』させて色を付けなくてはならず、何となく香ばしさはあるが、深い味わいが無いコーヒーはこのようにして作られ、コーヒーの成熟度は美味しいコーヒーにはとても重要なものです。

2. 焙煎について~ロースターの改良

当店は10kg直下式ロースターにて焙煎しております。
10kg以下の小型ロースターですと窯の蓄熱が弱く芯まで焼ける前に表面が焼けすぎてしまい、芯まで焼こうとすると全体の熱量が低くなりすぎてしまいます。
10kg以上の大型のロースターは窯自体が大きすぎて蓄熱が足りず香ばしさが低くなってしまうので、当店は10kgがベストという結論に至っております。
また当店はロースターに独自の改良を施しており、ガスバーナーやバーナーの台を独自に作製したものを使用し、焙煎する品目ごとに数種類のガスバーナーを使い分けて焙煎しております。
また吸気口と排気口、オリジナルの煙突を作成し経口や長さや曲がり具合なども日々研究を重ねております。

焙煎技術について

豆のもつ成分と熱での化学反応が織りなす焙煎は、豆の水分状況や温度や湿度なども考慮し同じ品目であっても、その日の状態で単位の調整が必要なデリケートな技術です。
また焙煎度合いについては、当店は昨今のシングルオリジンに対するテイストを出すスタンスの『浅煎り』でどうしても残る『雑味・渋み』を無くしたいと考えています。
浅煎りでの雑味を個性と評する考えや、強めの焙煎での個性の消失という考えもございますが、当店は『香ばしさ』『程よい酸味』『スッキリとした後味』を考慮した焙煎度合いで焙煎しております。
じっくりと水分を蒸発させてから、しっかり焼きを入れる当店の技術で素材の持ち味を失うことなく仕上がったコーヒーを是非ご賞味ください。

3. 精製~欠点豆のハンドピック

ハンドピックという作業は一般的ですが、当店はハンドピックする基準をかなり厳しくしております。
微妙に豆の端が黄色い豆、表はしっかり焼けていても裏が焼けすぎている、焼き斑のある豆など完全にハンドピックします。
色彩選別機で大まかに選別し、仕上げはしっかりと一粒一粒目で確認しながら人の手で取り除きます。
欠点豆が限りなくゼロに近いので、しっかりとした深い味わいでいて、スッキリとした飲み口のコーヒーに仕上がります。
また欠点豆や浅煎りの豆は時間の経過での劣化速度化が早いので、それらを取り除いた当店のコーヒーは40日程度は美味しいコーヒーを楽しめます。

4. 焙煎もっと深いところまで(持論)

仕入は品質の高いものを仕入れますが、特にプレミアなどがついている高級品目の必要はありません。 コーヒーはいろいろな種類がありますが、産地レベルで高級品目と言っても、産地比較すると高級品目ではない商品もあります。 生産国の生産技術や精製技術や自然環境などが国ごとに違う事に起因しますが、基本的に信頼できる商社から仕入れれば間違いありません。 また農園を限定してしまうと不作の時に悪いものを仕入れて売らなければならないので、幅広く仕入れられるようにしておいた方が良いと思います。 昨今強烈に強い個性を持った味が高級品目として多くなってきていますが、目指す味的に違うのであまりその辺は仕入れていません。 仕入れてからの保存は結構重要で、店頭に置きっぱなしにしながら販売している環境はあまりよくない様に思っています。

焙煎技術の前に当店がやっている事は、ロースターを改造しています。吸気と排気を変えるのに、ロースターに少し隙間を作ったり、煙突の長さや出口など 改良したり。ガスバーナーのピッチを変え、高さを変え豆ごとに数種類のバーナーを用意しています。年を重ねるごとに日々進化しているロースターです。
それらの道具と合わせて、焙煎技術はともて重要で、豆の種類、豆の量、焙煎工程(順番)による焙煎の違いなど様々な状況に炎の調整や吸気や排気の調整をしながら、 粒で言ったらものすごい数がある豆を全体の平均をどこでとるか(焼き過ぎ、丁度よい、焼けていないなど)頃合いを見計らって仕上げるので、豆の種類と量で時間決めてグルグルポンってわけにはいかず経験が重要になってきます。 つよい焼きならばそれほど気にしないで黒くしてしまえば簡単なので、強い焼きはそれほど技術は必要ではないです。
大まかにいうと、2回目の弾きが始まるギリギリで仕上げる、弾き初めで仕上げる、少し弾いてから仕上げるという音での判断と視覚的にしっとりと色づいてくる感じと 豆から出てくる少しの煙と香りなどで、意図するテイストで仕上げます。
ほんの数秒のタイミングであったり、量が多かったりするとロースターから出した後の豆の自熱で少し焼きが入る事もあり、完璧だって思えるのはそれほど多くはありません。
誤解を恐れずに言えば、だいたい90点~99点の間で作品が仕上がればいいかななんて思っています。

少量ですがガテマラの焙煎の様子

強めに焼くのは簡単とは言ったものの、うちで言う深煎りコーヒーとアイスコーヒー(フレンチローストとイタリアンロースト)などは少し難しくて、視覚的にシビアに判断します。 合わせて、仕上がってからの自熱が強烈なので、霧状の水をかけて焙煎度合いの進行を防ぎます。少し焼きを浅めに上げて自熱での進行を逆算してとかではシビアすぎるので なるべくギリギリまでロースターの中で焼いてから、水で進行を止める方が簡単で安全なので、この手法をとっています。
焙煎度合いが強いアイスコーヒーは、豆のまま販売するとお客様のミルが油だらけになってしまうので、焙煎後すぐに粉状にして販売します。

アイスコーヒーの焙煎の様子

仕上げに豆の精製をするのですが、この辺は大量生産しているところや、大手が絶対に出来ない作業です。やれない事もないのだけれども当店レベルの仕上げをすると 時間がかかりすぎて、多く売れば売るほど比例して精製時間が必要なので大量に売る意味が無くなってしまいます。
うちも多く売れば売るほど時間が必要になるので、自分や家族の手間でできる範囲が限界かなと思っています。それ以上やっても人の手を入れなくてはならず、 人が増えただけ余計な仕事が増えるので、精度という意味でもそのへんは良い商品を作るためには必要かと考えています。

内容はいたってシンプルに、機械で大まかに欠点豆を選別して、最終的にハンドピッカーという自作の爪で拾いまくるという作業です。
種類にもよるのですが、モカ系の欠点豆の宝庫みたいなのは、1人で8kg仕上げるのにハンドピックだけで1時間ぐらいかかります。単純に黄色いのだけじゃなくて 黒いのとか、部分的に黒いのとか黄色いのとか穴の開いたやつとか徹底的にハンドピックします。そうすると濃厚な味わいでいてスッキリとした飲み口のコーヒーに仕上がります。
当店の10gでの基本抽出量は180ccで一般的な基本抽出量は120ccだと言われています。まあ抽出量なんか好きなだけ抽出できるからあれですが、 ある程度の濃さで抽出できるという意味ではなかなか、この味は出せないのではないかと思っています。

色彩選別機で選別している様子

ハンドピッカーで選別している様子

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